植え付け
苗木は畑で2年間育てられたスギ・ヒノキ・クヌギ等が用いられます。
植え付けは、苗木が根付くように大きな穴を掘り、丁寧に一本一本植え付けます。風などの被害を受けないように苗木の根元をよく踏みしめ、場合によっては支柱を立てることもあります。
最近、植栽地の周辺に野生の鹿等が増加しているため、植え付け前に鹿被害対策としてネットを張り巡らせています。場所によっては鹿・ウサギの食害を防止するために苗木1本1本に「ツリーシェルター」をかぶせ防護することもあります。
下刈り 6月~10月
植栽した苗木は40cm程度ですので、旺盛な生育をする雑草に負けて枯れたり、高く育つ雑草木の陰になってしまい太陽光が当たらずに生育が劣ってしまいます。
こういった、苗木の成長を阻害する雑草木を刈り払う作業を「下刈り」といいます。
150cm以上に成長し、雑草木に負けなくなるまで5~6年間ぐらいは作業を行う必要があります。
夏の暑い日に作業するので、森林を育てる中で一番大変な作業です。
枝打ち 10月~3月
植栽後10年を過ぎると下枝が張ることで太陽光を遮断し、下草の繁茂を抑制します。
その下枝を切り落す作業のことを「枝打ち」といいます。
枝を落とす作業の目的は、大きく2つあり、1つは成長したスギ・ヒノキを製材した場合に材の表面に枝の跡が出ないようにするため、もう1つは林内に太陽光を入れ、下層植生の成長を助けるためです。
除伐・間伐
植栽後10年以上経過すると林内の植栽木が込み合ってきます。定期的(5~7年間隔)に不良木、曲木、被害木(風害・雪害・鹿被害)等を中心に伐倒していきます。
35年生以下ぐらいの伐倒木は林内の等高線に沿って筋置きして土砂の流出を防ぐよう工夫しながら作業を行います。利用価値が高くなってきた林分は、間伐した材を搬出して木材市場に出荷します。
主伐
植栽後50年程度で製品として利用できるようになり、本格的に伐採できるようになります。
木を全部伐ることを主伐(皆伐)と言います。
福岡県では成熟林分が多く、平成26年度から主伐に対する補助制度ができました。
森林が活性化するように伐採、植林、保育等といった健全な森林のサイクルが始まることで、森林の持つ公益的機能が十分に発揮できるようになります。
販売事業
森林組合の事業の最も重要な部門で、森林所有者(組合員)と十分協議を行いながら、組合が作業を受託して伐採・搬出・運搬・売上精算を行います。
販売事業は、組合員から受託して行うものと、立木を一定の値段で買取りをして行う仕事や、請負で伐採から運搬を行う仕事に分かれます。
加工事業
主伐や間伐された木材は、製材所で製材加工し製品化されます。
主に組合員からの賃挽製材を中心に行っており、ストックヤードも併設しております。
今後、公共建築物への地元産材の利活用に取り組みます。
購買事業
林業の生産活動に必要な物品を販売しています。
林業機械では、伐採、下刈りに必要なチェンソーや草刈機を中心に取り扱っており、組合員さんのニーズに合った製品を厳選して供給しています。
嘉飯山支店には、機械整備センターを設置しており、担当職員が林業機械の修理や整備を行っています。
また、林業用資材・薬剤・椎茸やヒラタケの種駒など各種品揃えをしています。
山の仕事では欠かせない蚊取り線香やオノ、ナタ、ノコ等の品質は高い評価を受けています。
これらの物品はそれぞれの支店・支所で購入できます。
山林経営指導
最近では、組合員さんがご自身で山林の保育管理をすることが難しくなってきています。そこで、森林組合が組合員さんと長期の施業委託契約を結んで管理していくようになりました。
組合では、組合員さんと協議しながら森林経営計画の樹立を進めています。
また、地域の組合員さんが中心となって組織している林業研究グループの指導や助成、さらには森林ボランティア団体の活動への協力も行っています。